2.jpg1979年、故郷に帰り細田塾を創めてから30年あまり。平均すれば毎年40名ほどの卒業生を送り出してきました。

今でも変わらないのは、「考える子供を創ろう」、「手は放しても眼は放さない」です。こうすれば楽に解けるとわかっていても、順を追って子供たちが心で「わかった」と思えるように勉強をさせたい、そんな気持ちでやってきました。

私自身、ワルシャワ大学の大学院に留学していたとき、勉強って、「わかった」と気持ちが、心が思わない限り定着しないものだと、遅ればせながら発見しました。それからは問題が喉を通った感覚と、まだ喉を通っていない感覚の違いがわかり、意外に勉強って楽なんだ、と思い始めたのです。

子供の眼で見た「勉強」という、押しつけられ時間がかかる、楽しくないものを、なんとか好きになり、短い時間で済ませ、そうして感動もできるものに変えられたら、教える側も教わる側も楽しい。最大目標は「問題は難しい方が面白い!」そんな子供を育てたい。それを続けて30年あまりが経ちました。

以前に生徒さんだったお父さん、お母さんが、自分の子供たちを、こちらに連れてこられたとき、やってきて良かったと思います。

もちろん学習塾ですので、預かった子供さんを2つは上の、難しい高校に入れてあげたいとして、毎回試行錯誤の連続です。いつも子供たちの顔を思い浮かべながら、どんな問題を作ったら「わかった」と言わせられるのか、次のステップにつながるのか。毎回真剣勝負。そして、そんな楽しみを与えてくれる子供たちに感謝している毎日です。

 

2011年 初夏
細田塾 塾長 細田博